生成AIパスポート試験とは?
試験概要
ChatGPTを皮切りに様々な生成AIの進化に伴い仕事の代替が進んでいますが、その中で生成AIを活用し仕事に活かすスキルが求められています。一方で安心して生成AIを学べるための試験が生成AIパスポート試験です。
この試験は生成AIに関する基礎知識や活用スキルを可視化する認定試験であり、文書生成などの具体的な方法や事例に加え、倫理的な活用やコンプライアンスに関する知識も提供しています。特にリスキリングやスキルのアップデートを求める人々におすすめされており、取得することで社内でのキャリアアップや競争力の向上、新たな職種への選択肢の拡大、業務効率化やアイディアの創出に役立ちます。
特にリスキリングやスキルのアップデートを求める人々におすすめされており、この資格を取得することで社内でのキャリアアップや競争力の向上、新たな職種への選択肢の拡大、業務効率化やアイディアの創出に役立ちます。
試験情報
試験を受験するために必要な情報をまとめます。なお、正確な試験情報に関しては主催元である生成AI活用普及協会(GUGA)のサイトをご確認ください。
- 試験の内容
生成AIの定義、生成AIのしくみ、リテラシーや社会原則、テキスト生成AIの実例が範囲です。
詳細はシラバスをご確認ください。 - 受験資格
学歴、年齢、実務経験等の制限はなくどなたでも受験可能です。 - 受験日程・場所
今のところ年間で3回(6月、10月、2月)実施されています。
オンライン受験(60分、60問)となり、一定の期間内に受験する必要があります。
自宅での受験が可能であり、テキストを見ながら受験をすることができます。 - 受験料
11,000円(税込) - 対策教材
公式テキストが販売されています。
電子書籍版¥1,782(税込)、製本版¥1,980(税込) - 目安となる勉強時間
10-20時間
難易度と他の試験との比較
AI系の資格として有名どころG検定やE資格(ともに日本ディープラーニング協会)があります。生成AIパスポート試験と2つの試験の難易度は下記になります。勉強時間は私が実際に体験したものとインターネット上の情報を加味して提示してあります。
- 難易度(カッコ内は目安の勉強時間)
生成AIパスポート試験(10-20時間)<G検定(30-60時間)<E資格(80-150時間)
生成AIパスポート試験とG検定は一般向けなのに対し、E資格はエンジニア向けの資格となっています。特にE資格は認定の講座を受講したうえでコードやAI特にディープラーニングの仕組みをよく理解して試験に臨む必要があるため。なかなか難しい試験と言えます。AIの概要やトレンドを簡単に抑えたい方は生成AIパスポート試験、G検定の合格を目標に勉強されるのがよいと思います。
いずれの試験を受験する場合も言えることですが、ご自身の目的や獲得したい知識がどんなものかを明確にして勉強することが重要なのかなと思います。
学習用クイズアプリ(LINEアプリ)
GUGAより生成AIパスポート試験学習用のクイズアプリがリリースされています。LINEアプリになりますが、無料で生成AIパスポートの対策をすることができます。ただし本番形式の四肢択一式ではないのでご注意ください。もしご興味がありましたら、こちらの公式ページよりアプリをチェックしてみてくださいね。
試験対策
受験の経緯
2024年1月ごろ、わたしの所属する組織で生成AI受験無料&テキスト無料配布なるイベントが行われました。2022年にG検定に合格していましたが、生成AIについての知識を整理したくもあり同僚社員も受験するのでせっかくならという形で勉強を始めました。
勉強法
勉強期間は2024年の1~2月までの2か月でした。具体的な勉強法はシラバスと公式テキストを往復して読み込み、気になった用語や説明はChatGPTやYoutubeで学習を行いました。GUGAのページにサンプル問題があるとおり、基本的な用語を抑えていくことが合格につながります。
勉強自体は毎日30分くらいを目安にしていました。この試験は本腰を入れて取り組むというより、スキマ時間でこまめに勉強するのに向いていると思いますので、移動時間などでさくっと勉強されるのがよいのかなと思います。私は公式テキストを使用してましたが、スキマ時間を活用するためにも電子書籍だと楽に勉強ができると思いました。
試験の趣旨として生成AIの利用促進がありますので、この機会にガンガンChatGPTを使ってプロンプト(AIへの指示文)をご自身で研究してみることをおススメします。詳細は次の章をご覧ください!
試験当日と結果
試験は60分60問で気になった問題にはチェックをすることができました。知識で確実に解ける問題を優先しつつ、怪しい問題はチェックしてまずは全問解くことに集中しました。結果として見直し時間を含めて10分ほど余りました。
結果はメールで届きましたが、無事合格でした!
案内はメールで来るのですが、試験結果の公表は禁止されているので概要をお伝えすると、試験結果は全体の受験者、合格者、合格率と各試験分野ごとの個人の正解率が掲載されています。個人の正解率はどれも80%を超えていました。
試験勉強を通じてG検定で理解ができていなかった分野を補強できましたし、技術の理解に加えて改めてAI利用のルール作り(ガイドライン、法律など)が重要であることが認識できたと思います。
ChatGPTを活用した問題集の作成
生成AIの基礎知識を問われる試験なので、生成AIを使いながら試験対策をするのが知識もスキルも向上できてよいと思います。ここではChatGPTを利用した問題作成の例をご紹介します。
注意頂きたいことは生成される問題は会話する度に変化するのと、問題の解答が必ずしも正解ではない場合があります。そこを踏まえた上で利用してみてくださいね!
用意するもの
ChatGPTアカウント
⇒2024年5月19時点でChatGPT-4oが無料で利用できます。
プロンプト例
プロンプト例を下記に掲載します。プロンプト作成のポイントは2つあります。
- 条件の提示(1-7行目)
条件に生成AIパスポート試験の情報を入れることが重要です。これによりシラバスとサンプル問題を考慮した問題が出力されるように指示します。 - 問題作成の指示(9行目)
問題出力の際に解答と解説を追記するように指示しています。これにより簡単に問題の解答をチェックできます。
あなたは生成AIパスポート試験の試験問題作成担当です。
生成AIパスポート試験は下記の団体が主催しています。
https://guga.or.jp/qa/
また試験のシラバスは下記になります。
https://guga.or.jp/assets/syllabus.pdf
問題の形式は下記のサンプル問題を参考にしてください。
https://guga.or.jp/assets/sample.pdf
上記のURLを参考に生成AIに関する4択の問題と解答、解説を10題作成してください。
出力された問題のサンプル
ChatGPTが作成した問題は下記になります。実際の問題の分量も近い感じでしたので、なかなかいい感じかなと思います。これをベースに参考URLを出力させることもできますし、間違った問題の要約シートも作成できます。いろいろと応用範囲は広がりますね!!
以下に、生成AIに関する4択の問題とその解答、解説を3題作成しました。
問題1
生成AIと従来のAIの違い
生成AIの特徴として正しいものはどれですか?
データを分類するために使用される
大量のデータを生成することができる
既存のデータから規則を見つけることができる
過去のデータに基づいて未来を予測する
解答: 2. 大量のデータを生成することができる
解説: 生成AIは新しいデータやコンテンツを生成する能力を持ちます。これにより、画像、テキスト、音楽など様々な分野で新しい作品を自動生成することが可能です。従来のAIは主にデータの分類や予測に使用されるのに対し、生成AIは創造的な役割を果たします。
問題2
自然言語処理(NLP)における生成AIの応用
生成AIを用いた自然言語処理の応用例として正しいものはどれですか?
データのクラスタリング
テキストの要約生成
データの正規化
画像の分類
解答: 2. テキストの要約生成
解説: 生成AIは自然言語処理の分野でテキストの要約生成や機械翻訳、対話生成などに応用されています。これにより、大量のテキストデータから重要な情報を抽出し、簡潔な要約を自動的に生成することができます。
問題3
トランスフォーマーモデルの特徴
トランスフォーマーモデルの主要な特徴はどれですか?
再帰的ネットワークを使用する
畳み込みネットワークを使用する
アテンションメカニズムを使用する
強化学習を使用する
解答: 3. アテンションメカニズムを使用する
解説: トランスフォーマーモデルはアテンションメカニズムを使用することで、入力シーケンスの全体的なコンテキストを考慮しながら特定の要素に焦点を当てることができます。これにより、より正確な翻訳や生成タスクが可能になります。再帰的ネットワークや畳み込みネットワークとは異なり、トランスフォーマーモデルは並列処理が可能である点が特徴です。
これらの問題は、生成AIに関する基礎的な知識や応用、技術的な構成要素をカバーしています。
まとめ
本記事では生成AIパスポート試験の概要と合格までの勉強法について説明しました。せっかくですので生成AIをどんどん利用していただきながら試験勉強を通じてAIの理解と利活用力をアップしてください!合格を祈っております!