ChatGPTとカオスマップでクラウドサービスのトレンドを可視化しよう!

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目次

クラウドサービスのトレンド把握の方法

背景

私は情報システム部出身であることから、現在でもさまざまなのクラウドサービスの選定を行っています。しかし、初めて調査業務をしていたころに心の中で思っていたことは、「クラウドサービスの進化が早くてとてもじゃないけどトレンドが追えない!」でした。

しかし、悪戦苦闘するうちにクラウドサービスのトレンド把握と可視化の仕方が少しずつ分かってきました。この記事では私がクラウドサービス選定業務でよく利用しているカオスマップとChatGPTを紹介したいと思います!

検索戦略

まず、調査の目的をいろいろなクラウドサービスを比較し、提案書に利用する表を作成することとしたいと思います。

そしてその目的を達成する上で大事なことはもっともらしい情報にいかに早くたどり着くかです。今回の記事でカオスマップと比較サイトと取り上げたのは2つを組み合わせることで効率よく情報を整理できると考えたからです。

ただ情報を得るだけならば比較サイトと少し調査してまとめてもいいと思います。しかし、後述するカオスマップを複数調査することでその分野におけるデファクトスタンダードとなるサービスや把握していなかったクラウドサービス群が見えてきます。その情報を知った上で比較サイトの情報に触れることで、より重要なサービスに対して時間をかけて検討することができます。このようにカオスマップと比較表を活用することで、ただの情報のまとめではなくトレンドを考慮した比較表の作成につながると考えます。

カオスマップとは?

概要

カオスマップ(Chaos Map)は、特定の分野や業界における多様な企業やサービスを視覚的に整理した図のことを指します。カオスマップは、膨大な数の企業やサービスを一目で把握できるようにするために使われ、多くの場合、企業やサービスをカテゴリごとに分類し、関連性を示すために用いられます。

下記はこちらの記事に掲載されていたクラウドサービスにおけるカオスマップの一例です。このカオスマップではカテゴリー別にその時点で提供されている有名どころのクラウドサービスが複数列挙されており、競合するサービスを一目で確認することが可能です。例えば、右上にあるチャットツールではslackやteamsなどチャットツール群がまとめられていることがわかります。

One Capital, ホリゾンタルSaaS カオスマップ2022

カオスマップの使いどころ

上記の画像からわかるように、カオスマップを見ることである分野におけるクラウドサービスを俯瞰することができます。これにより、サービス比較対象を選定することが容易になります。例えばご自身がクラウドサービス導入を検討しているのであれば、導入予定の分野におけるカオスマップを確認してどのようなサービスがあるかを確認するとよいでしょう。

利用のポイント

分野を俯瞰しやすいカオスマップですが、利用するにあたり気を付けた方がよい点をまとめてみました!

  • 複数のカオスマップを確認する
    カオスマップを作成している企業は多くがクラウドサービスを提供しているベンダーです。自社のサービスを販売したいがために、まだ浸透していない自社のクラウドサービスをカオスマップに掲載することはよく見られる現象です。そのため、カオスマップを利用する場合は特定の分野に対して複数のマップを確認するようにしましょう!どのカオスマップにも掲載されているサービスはおそらく有名どころであると考えられます。
  • 作成時期を確認する
    クラウドサービスの進化はとても早いため、カオスマップの情報の鮮度が落ちるのも早いです。そのため数年前のカオスマップは役に立たない可能性がありますので作製時期には十分注意してください。一方ホットな分野であれば、特定の企業が半年や1年ごとにカオスマップを更新していることもよくあります。そのため、古い情報であったとしても調査対象サービスの経年の変化を追うのに役立てることもできます。

比較サイトの探し方

カオスマップで業界を俯瞰した後は比較サイトを利用しサービスの内容や価格、導入実績について把握していきましょう。では目的の比較サイトはどのように探すのがよいのでしょうか?私は比較サイトを探す際のポイントは比較表が掲載されていることが重要と考えます。

例えば「(クラウドサービスの分野) 比較」と検索するとおそらく(クラウドサービスの分野)のサービス10選のような情報が上位に来ることが多いです。しかしこのような記事は文章で特徴を述べていることが多く、サービス間の比較がとても難しいです。そのため、私はサイトを検索するだけではなく下図のようにGoogleの画像検索から比較表を検索するようにしています。大事なのはいろいろな観点で情報を取得することだと思います!

nocode-table

こうしてカオスマップと比較サイトを探し出すことができれば、あとはサービス内容をじっくり検討するだけになり、意思決定に時間を割くことができるようになります。

ChatGPTによる比較表作成

比較表作成

ここまで参考になるカオスマップや比較サイトが複数選定できたと思います。しかし、比較サイトにある表を自社の状況に合わせてカスタマイズしたい場合もあるでしょう。そこでChatGPTを利用して表を作成します。選定したサイトのURLなどをChatGPTに読み込ませて表を作成しましょう!下記に例を示しますので、ご自身の状況に合わせてカスタマイズをしてみてくださいね。

ちなみに2024年5月にリリースされたChatGPT4oはwebサイトの情報だけでなく、PDFなどのファイル情報も読み込むことができます。重要と判断した情報をChatGTPに読み込ませて、表作成の指示を与えるだけで簡単に比較表を作成することができます!

ChatGPTの活用

下記が今回ChatGPTに投げたプロンプト(指示文)と出力結果になります。

下記のサイト情報を参考にノーコードサービスの比較表を作成してください。
https://kigyolog.com/service.php?id=306
https://bolt-dev.net/posts/3124/
https://sitest.jp/blog/?p=20624

また比較表を作成する場合は下記の条件に従ってください。
・列はサービス名、行は項目を表示
・項目は用途、料金、企業規模、サービスの特徴、メリット、デメリット、公式サイトURLを表示
・出力形式はマークダウン
| 項目            | Wix                                        | Jimdo                                    | ペライチ                                | STUDIO                                   |
|-----------------|--------------------------------------------|------------------------------------------|-----------------------------------------|------------------------------------------|
| 用途            | ランディングページ作成、ECサイト           | ランディングページ作成、ECサイト         | ランディングページ作成                  | ランディングページ作成、デザイン重視     |
| 料金            | 無料プランあり、ベーシックプラン900円/| 無料プランあり、PROプラン965円/| 無料プランあり、レギュラープラン2178円/| 無料プランあり、ベーシックプラン980円/|
| 企業規模        | 小規模~中規模                             | 小規模~中規模                           | 小規模~中規模                          | 小規模~中規模                           |
| サービスの特徴  | テンプレート多数、AI生成機能               | EC決済無料、AI生成機能                  | 日本製、サポート充実                    | デザインに特化、共同編集可能             |
| メリット        | 簡単な操作、豊富なテンプレート             | 無料でEC決済機能利用可能                | 充実したサポート、認定サポーター制度    | 細かいデザイン調整可能                  |
| デメリット      | 高度なカスタマイズには限界                 | テンプレートの種類が少ない               | 高額なプランが必要                      | EC機能がない                             |
| 公式サイトURL   | [Wix公式サイト](https://ja.wix.com)       | [Jimdo公式サイト](https://www.jimdo.com) | [ペライチ公式サイト](https://peraichi.com) | [STUDIO公式サイト](https://studio.design) |

実際に出力されたマークダウンを表で表示してみると下表のようになります。これをベースにカスタマイズをしていけばご自身の業務に合わせた比較表を作成することができます!

項目WixJimdoペライチSTUDIO
用途ランディングページ作成、ECサイトランディングページ作成、ECサイトランディングページ作成ランディングページ作成、デザイン重視
料金無料プランあり、ベーシックプラン900円/月無料プランあり、PROプラン965円/月無料プランあり、レギュラープラン2178円/月無料プランあり、ベーシックプラン980円/月
企業規模小規模~中規模小規模~中規模小規模~中規模小規模~中規模
サービスの
特徴
テンプレート多数、AI生成機能EC決済無料、AI生成機能日本製、サポート充実デザインに特化、共同編集可能
メリット簡単な操作、豊富なテンプレート無料でEC決済機能利用可能充実したサポート、認定サポーター制度細かいデザイン調整可能
デメリット高度なカスタマイズには限界テンプレートの種類が少ない高額なプランが必要EC機能がない
公式サイト
URL
Wix公式サイトJimdo公式サイトペライチ公式サイトSTUDIO公式サイト

まとめ

本記事ではクラウドサービスのトレンド把握の方法としてカオスマップ、比較サイト、ChatGPTを組み合わせた比較表作成方法を解説しました。本記事で紹介した方法を用いて少しでも業務効率が向上するといいですね!

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この記事を書いた人

Hack Luck Labの管理人hakula(ハクラ)です。2012年にSIerに新卒入社し、SE、新規事業、情シスを担当。その後、ITコンサルを経て、現在はバックエンドエンジニア。過去にはC#、SQL Server、JavaScriptで開発を行い、現在はPython、Rest Framework、Postgresql、Linux、AWSなどを使用しています。ノーコードツールやDX関連も興味あり。「技術は価値を生むために使う」ことが信条で、顧客や組織への貢献を重視しています。

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